この記事でわかること
- 令和6年に転職入職した人のうち、賃金が増えた人は40.5%、減った人は29.4%だったこと
- 「変わらない」と答えた人が28.4%おり、3割近くを占めること
- 年齢階級によって増減の割合がまったく違い、54歳までと55歳以降で向きが反転すること
- 「1割以上の増加」だけを取り出すと、同じ「増加」でも中身が違って見えること
- この調査が何を対象に、どういう方法で集計されたものかということ
この記事は、厚生労働省が公表した令和6年の雇用動向調査について、転職した人の賃金がどう変わったかの数字だけを取り出して整理したものです。
使用した資料は厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」で、中心となるのは同資料の表6「転職入職者の賃金変動状況別割合」です。
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令和6年に動いた人の数から見る
賃金の話に入る前に、そもそも令和6年にどれだけの人が職場を出入りしたのかを確認します。
| 区分 | 入職者数 | 離職者数 |
|---|---|---|
| 全体 | 7,473.7千人 | 7,195.3千人 |
| 一般労働者 | 4,337.8千人 | 4,231.7千人 |
全体では入職者数が離職者数を278.4千人上回りました。入った人のほうが出た人より多い、いわゆる入職超過です。
一般労働者だけを取り出しても、入職者数4,337.8千人に対して離職者数4,231.7千人で、入職が離職を上回っています。
出典と読み方
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」の入職・離職に関する数値です。入職者数とは、その年に事業所に入った人の数を指します。
離職者数はその年に事業所を出た人の数で、両者の差が入職超過(またはその逆)として示されます。
出典: 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」
入職者には、転職以外の経路で入った人も含まれます。これから見る表6は「転職入職者」に絞った数字で、集計の範囲が異なります。
つまり入職者数7,473.7千人がそのまま転職者の数というわけではありません。この点を混同すると、以降の割合の読み方がずれます。
- 令和6年の入職者数は7,473.7千人、離職者数は7,195.3千人
- 入職者が離職者を278.4千人上回る入職超過だった
- 一般労働者だけでも入職4,337.8千人が離職4,231.7千人を上回った
転職後に賃金が「増えた」人は40.5%
ここからが本題です。転職入職者全体で、前の職場と比べて賃金がどう変わったかを見ます。
| 区分 | 令和6年 | 令和5年 |
|---|---|---|
| 増加 | 40.5% | 37.2% |
| うち1割以上の増加 | 29.4% | 25.6% |
| うち1割未満の増加 | 11.2% | 11.6% |
| 変わらない | 28.4% | 28.8% |
| 減少 | 29.4% | 32.4% |
| うち1割未満の減少 | 7.6% | 9.0% |
| うち1割以上の減少 | 21.7% | 23.4% |
| 増加-減少 | 11.1ポイント | 4.8ポイント |
令和6年は「増加」が40.5%、「変わらない」が28.4%、「減少」が29.4%でした。増えた人が4割、減った人が3割弱という構成です。
前年と比べると「増加」は3.3ポイント上昇し、「1割以上の増加」は3.8ポイント上昇しました。
一方で「減少」は3.0ポイント低下、「1割以上の減少」は1.7ポイント低下しています。増える側に寄った動きです。
出典と読み方
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6の「計」の行です。増加・変わらない・減少の3つを合計すると100.0になります。
「増加-減少」は増加の割合から減少の割合を引いた差で、単位はポイントです。
出典: 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6
令和6年は「増加」が「減少」を11.1ポイント上回りました。令和5年の4.8ポイントから差が広がったことになります。
同じ資料では、労働者の種類をそろえた移動についても差が示されています。
| 移動の区分 | 増加が減少を上回った差 |
|---|---|
| 転職入職者 計 | 11.1ポイント |
| 雇用期間の定めのない一般労働者間の移動 | 16.3ポイント |
| パートタイム労働者間の移動 | 15.4ポイント |
同じ種類の働き方どうしで移った場合は、全体の11.1ポイントより差が大きくなっています。
「増加が4割」は「6割が損をした」という意味ではありません。28.4%は「変わらない」で、減ったのは29.4%です。
- 令和6年は増加40.5%、変わらない28.4%、減少29.4%
- 増加は前年より3.3ポイント上昇、減少は3.0ポイント低下
- 増加が減少を11.1ポイント上回り、前年の4.8ポイントから拡大した
年齢階級別で見ると、様子がまったく違う
ここが表6の中心です。全体の40.5%という数字は、年齢階級ごとに分解すると大きく姿を変えます。
| 年齢階級 | 増加 | 変わらない | 減少 | 増加-減少 |
|---|---|---|---|---|
| 計 | 40.5 | 28.4 | 29.4 | 11.1 |
| 19歳以下 | 48.8 | 34.9 | 11.9 | 36.9 |
| 20〜24歳 | 50.5 | 31.5 | 16.8 | 33.7 |
| 25〜29歳 | 46.3 | 23.1 | 29.2 | 17.1 |
| 30〜34歳 | 46.1 | 29.1 | 24.2 | 21.9 |
| 35〜39歳 | 45.5 | 28.0 | 24.3 | 21.2 |
| 40〜44歳 | 45.9 | 23.7 | 29.0 | 16.9 |
| 45〜49歳 | 46.4 | 26.9 | 23.8 | 22.6 |
| 50〜54歳 | 39.0 | 31.7 | 28.2 | 10.8 |
| 55〜59歳 | 27.4 | 33.6 | 36.6 | -9.2 |
| 60〜64歳 | 13.6 | 24.2 | 60.9 | -47.3 |
| 65歳以上 | 23.7 | 33.7 | 40.5 | -16.8 |
単位はいずれも%で、増加-減少のみポイントです。増加が最も高いのは20〜24歳の50.5%、最も低いのは60〜64歳の13.6%です。
出典と読み方
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6の年齢階級別の値です。各行の増加・変わらない・減少を合計すると100.0になります。
年齢は転職入職した時点の階級で区切られています。
出典: 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6
10代・20代
19歳以下は増加48.8%に対して減少が11.9%で、差は36.9ポイントあります。減少の割合は全階級で最も低い水準です。
20〜24歳は増加が50.5%で、唯一5割を超えました。減少は16.8%、差は33.7ポイントです。
25〜29歳になると増加46.3%に対して減少29.2%で、差は17.1ポイントまで縮みます。
25〜29歳は「変わらない」が23.1%と、全階級のなかで最も低い値になっています。増えたか減ったかのどちらかに割れる階級です。
- 19歳以下と20〜24歳は減少が2割を切る
- 20〜24歳の増加50.5%が全階級で最も高い
- 25〜29歳から減少が3割近くまで戻る
30代
30〜34歳は増加46.1%、減少24.2%、変わらない29.1%で、差は21.9ポイントです。
35〜39歳は増加45.5%、減少24.3%、変わらない28.0%で、差は21.2ポイントとなっています。
30代前半と後半はほぼ同じ形をしており、25〜29歳より差が大きくなっている点が特徴です。
階級を追うごとに増加が単調に下がるわけではありません。25〜29歳より30〜34歳のほうが差は大きくなっています。
40代
40〜44歳は増加45.9%ですが、減少も29.0%あり、差は16.9ポイントに縮みます。変わらないは23.7%です。
45〜49歳は増加46.4%、減少23.8%で、差は22.6ポイントに戻ります。40代の前半と後半で形が違います。
50〜54歳では増加が39.0%まで下がり、全体の40.5%を下回りました。差は10.8ポイントです。
この調査は事業所を対象にしたものです。年齢階級ごとの内訳がどれだけの回答から作られているかは、表6には示されていません。
- 増加が5割を超えたのは20〜24歳だけ
- 25〜54歳は増加が39.0〜46.4%の範囲に収まる
- 50〜54歳で増加が全体平均の40.5%を下回る
50代後半から数字が反転する
50〜54歳までは、どの階級も増加が減少を上回っていました。55〜59歳から向きが変わります。
| 年齢階級 | 増加 | 変わらない | 減少 | うち1割以上の減少 | 増加-減少 |
|---|---|---|---|---|---|
| 50〜54歳 | 39.0 | 31.7 | 28.2 | 21.0 | 10.8 |
| 55〜59歳 | 27.4 | 33.6 | 36.6 | 30.7 | -9.2 |
| 60〜64歳 | 13.6 | 24.2 | 60.9 | 53.9 | -47.3 |
| 65歳以上 | 23.7 | 33.7 | 40.5 | 34.7 | -16.8 |
55〜59歳では増加27.4%に対して減少36.6%となり、差は-9.2ポイントです。ここで符号がマイナスに変わります。
60〜64歳は増加13.6%、減少60.9%で、差は-47.3ポイントでした。表6のなかで最も大きな開きです。
60〜64歳の「1割以上の減少」は53.9%で、この階級の半数を超えています。
出典と読み方
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6のうち、50歳以上の階級を抜き出したものです。
「増加-減少」がマイナスであることは、その階級で減った人の割合が増えた人の割合を上回ったことを示します。
出典: 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6
65歳以上は増加23.7%、減少40.5%で、差は-16.8ポイントです。60〜64歳よりは差が小さくなっています。
65歳以上の「変わらない」は33.7%で、60〜64歳の24.2%より高い値です。
この表は割合だけを示したもので、賃金の水準そのものや金額は含まれていません。増減の向きと幅の分布を表したものです。
- 55〜59歳から増加-減少がマイナスに転じる
- 60〜64歳は減少60.9%、差-47.3ポイントで開きが最大
- 65歳以上は差-16.8ポイントで、60〜64歳より小さい
「1割以上増えた人」だけを取り出すと見え方が変わる
ここまでは増加・減少という大きなくくりで見てきました。表6はさらに、1割以上か1割未満かで内訳を分けています。
| 年齢階級 | 1割以上の増加 | 1割未満の増加 | 1割未満の減少 | 1割以上の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 計 | 29.4 | 11.2 | 7.6 | 21.7 |
| 19歳以下 | 27.9 | 20.9 | 5.8 | 6.1 |
| 20〜24歳 | 38.5 | 12.0 | 5.6 | 11.2 |
| 25〜29歳 | 37.9 | 8.3 | 11.6 | 17.6 |
| 30〜34歳 | 36.0 | 10.1 | 7.9 | 16.3 |
| 35〜39歳 | 35.3 | 10.2 | 7.9 | 16.3 |
| 40〜44歳 | 33.2 | 12.7 | 7.8 | 21.2 |
| 45〜49歳 | 29.1 | 17.4 | 7.3 | 16.5 |
| 50〜54歳 | 26.3 | 12.7 | 7.3 | 21.0 |
| 55〜59歳 | 17.3 | 10.1 | 5.9 | 30.7 |
| 60〜64歳 | 7.9 | 5.7 | 7.0 | 53.9 |
| 65歳以上 | 15.6 | 8.1 | 5.8 | 34.7 |
単位は%です。各行の4つの値に「変わらない」を足すと100.0になります。
「1割以上の増加」が最も高いのは20〜24歳の38.5%で、25〜29歳の37.9%、30〜34歳の36.0%が続きます。
出典と読み方
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6の内訳部分です。増加は1割以上と1割未満に、減少も同じく2つに分かれています。
「1割」は増減の幅を指す区切りで、金額そのものは示されていません。
出典: 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6
この列を見ると、増加の合計がほぼ同じ階級でも中身が違うことが分かります。
25〜29歳は増加46.3%のうち1割以上が37.9%です。45〜49歳は増加46.4%ですが、1割以上は29.1%にとどまります。
45〜49歳は「1割未満の増加」が17.4%で、全階級のなかで最も高い値です。増えた人のうち幅の小さい層が厚くなっています。
増加の合計だけを並べると、25〜29歳と45〜49歳はほぼ同じに見えます。内訳を開くと違う分布であることが分かります。
19歳以下も同じ形です。増加48.8%のうち、1割以上は27.9%で、1割未満が20.9%を占めます。
減少の側でも同じことが起きます。「1割未満の減少」は全階級で5.6〜11.6%の範囲に収まり、大きく動きません。
一方で「1割以上の減少」は19歳以下の6.1%から60〜64歳の53.9%まで開きます。減少側の差は、ほぼこの列で説明できます。
| 内訳 | 令和6年 | 令和5年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1割以上の増加 | 29.4% | 25.6% | 3.8ポイント上昇 |
| 1割以上の減少 | 21.7% | 23.4% | 1.7ポイント低下 |
全体で見ると、前年からの動きは幅の大きい層で起きています。1割以上の増加が3.8ポイント上昇し、1割以上の減少が1.7ポイント低下しました。
- 1割以上の増加は20〜24歳の38.5%が最も高い
- 増加の合計が同水準でも、1割以上と1割未満の構成は階級ごとに違う
- 1割未満の減少は5.6〜11.6%に収まり、階級差は1割以上の減少に集中する
この分野でよく聞かれること
Q. この調査は何を数えているのか
雇用動向調査は事業所を対象とした調査です。令和6年の事業所調査の対象数は14,867事業所でした。
有効回答は上半期が9,024事業所、下半期が8,683事業所です。集計は事業所からの回答をもとに行われています。
Q. 「増加」に転職以外の要因は入るか
表6は転職入職者について、前の勤め先と比べた賃金の変動を増加・変わらない・減少に区分したものです。
概況の表6には、増減が何によって生じたかの内訳は示されていません。理由別の分解はこの表からは読み取れません。
Q. 自分の年齢の数字をどこまで当てにしてよいか
表6の数値は年齢階級ごとの割合であり、個人の結果を示すものではありません。同じ階級のなかにも増えた人と減った人の両方がいます。
たとえば60〜64歳でも増加は13.6%あり、55〜59歳でも増加は27.4%です。階級の代表値として読むのが適切です。
Q. 賃金が下がった人はどれくらいいるのか
令和6年の転職入職者全体では、減少が29.4%でした。その内訳は1割未満の減少が7.6%、1割以上の減少が21.7%です。
年齢階級別では19歳以下の11.9%から60〜64歳の60.9%まで幅があります。全体の29.4%だけでは階級差が見えません。
Q. いつ公表される調査か
この記事が参照したのは厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」です。令和6年を対象とした結果がまとめられています。
集計の復元倍率の算出には、毎月勤労統計調査の月末常用労働者数(令和6年6月調査および12月調査)が使われています。
求人を探さない。条件を出して、企業から来てもらう
約500社の経営者・採用責任者が登録/フルリモートで働ける形が中心(広告主の説明)
- 応募をやめられます。求人を探して応募するのではなく、自分の条件を出して、企業側から声をかけてもらう形です
- フルリモートで働ける形が中心です。通勤時間ごと、今の生活を変えずに働けます
- 選考は基本的に面談1回。何社も受けて落ち続ける消耗がありません
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登録は無料です。希望条件を出して、担当エージェントを選ぶところまで進みます
まず、自分にどんな条件が来るかを見てください
対象:フルリモートや業務委託の働き方も選べる方
まず無料で登録して、来る条件を見る
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記載の内容は広告主(LIBZ/株式会社LiB)の説明にもとづくものです。このプログラムは業務委託・フルリモート中心の転職支援です。紹介される条件は時期によって変わるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。
まとめ
令和6年の転職入職者は、全体では増加40.5%・変わらない28.4%・減少29.4%でした。年齢階級で分けると、54歳までと55歳以降で向きが反転します。
- 全体では増加が減少を11.1ポイント上回り、前年の4.8ポイントから広がった
- 増加が5割を超えたのは20〜24歳の50.5%のみ
- 55〜59歳で増加-減少が-9.2ポイントとなり、60〜64歳では-47.3ポイントまで開く
- 増加の合計が同水準でも、1割以上か1割未満かの構成は階級ごとに異なる

