着物のタンスへのしまい方。折り方の基本と、重ねる順番で傷みを減らす方法

着物のタンスへのしまい方。折り方の基本と、重ねる順番で傷みを減らす方法 着物の買取

畳んだあとで、しまう手が止まる。

折り方が本の写真と合っているか自信がない。重ねる順番も分からないまま、とりあえず引き出しに押し込みそうになる。

着物のタンスへのしまい方は、本畳みで折り、たとう紙に1枚ずつ包み、重いものを下・よく着るものを上に重ねる。この三つが揃うと、型崩れとシワの大半は起きない。

  • 本畳みの手順と、縫い目に沿って折る意味
  • 帯・帯締め・帯揚げの畳み方と、置き場所の分け方
  • タンスに重ねる順番の決め方と、引き出しごとの役割
  • たとう紙の包み方、入れる枚数、たまに畳み直す理由
  1. 着物の基本の折り方(本畳み)
    1. 縫い目に沿って折る理由
    2. 畳む前に整えること
    3. 本畳みの手順と仕上がりの確認
  2. 帯や小物の折り方
    1. 帯の種類ごとの畳み方
    2. 帯締め・帯揚げ・小物
    3. 帯と着物は段を分ける
  3. タンスに重ねる順番
    1. 重いものを下、軽いものを上
    2. よく着るものを上に置く
    3. 引き出しごとに役割を決める
  4. たとう紙に入れてから重ねる
    1. 1枚ずつ包む理由
    2. 包み方の手順
    3. たとう紙の替え時
  5. 引き出しに入れる枚数の目安
    1. 枚数ではなく高さで考える
    2. 詰め込むと何が起きるか
    3. 余白の作り方
  6. たまに動かすことの意味
    1. 同じ折り目が固定される
    2. いつやるか
    3. ついでに見ておくところ
  7. 桐たんす以外でしまう場合の注意点
    1. 桐が何をしているか
    2. 置き場所で半分決まる
    3. プラスチックケースでのしまい方
  8. タンスにしまう前にやっておく手入れ
    1. 脱いだ当日は畳まずに休ませる
    2. 畳む前に汚れを見つけておく
    3. 雨の日に着たものは一日多く干す
  9. 防虫剤と乾燥剤の入れ方
    1. 防虫剤は一種類にそろえる
    2. 着物に直接触れさせない
    3. 交換の時期を決めておく
  10. しまう場所の環境と、季節ごとの見直し
    1. タンスを置く位置を選ぶ
    2. 衣替えのときに一度出して風を通す
    3. 素材ごとに分けて入れる
  11. 素材と格で変わる着物のタンスへのしまい方
    1. 絹・木綿・ウールで分けて入れる
    2. 礼装と普段着は同じ引き出しにしない
    3. 長襦袢や羽織の置き場所
  12. しまったあとの記録と、傷みのサインの見つけ方
    1. 中身が分かるようにしておく
    2. 出したときに見ておく場所
    3. 変化が見つかったとき
  13. よくある質問
    1. Q. 本畳みができないとどうなりますか
    2. Q. 帯はどう畳めばいいですか
    3. Q. 重ねる枚数に上限はありますか
    4. Q. 折り目をつけたくない場合はどうすればいいですか
    5. Q. 桐たんすでないとだめですか
    6. Q. 久しぶりに出したらシワがついていました
  14. まとめ:畳み方と重ねる順番を整えると、型崩れを防げる

着物の基本の折り方(本畳み)

着物の折り方の基本は本畳み。縫い目に沿って折るので、布に新しい折り線を作らずに小さくまとまる。

縫い目に沿って折る理由

着物は直線に裁って直線に縫った布の集まり。縫い目で折れば、布は仕立てたときの形へ素直に戻る。

縫い目を外して折ると、そこに新しい癖がつく。折り線が増えるほど型崩れは進む

  • 折り目が縫い目と重なり、生地の面に新しい線が出にくい
  • 衿・肩山・裾が、毎回同じ位置に収まる
  • 柄の見せ場が内側に入り、擦れから遠ざかる
  • 仕上がりが四角に近く、重ねたときに荷重が均等にかかる
  • 次に広げたとき、折り目が着付けの邪魔をしない

畳み方を覚える目的は、きれいに小さくすることではない。生地に余計な記憶を残さないこと。

畳む前に整えること

折り始める前に済ませる作業が三つ。着物を乾かす、汚れを見る、広げる場所を作る。

着たあとの着物には汗と体温の湿気が残っている。そのまま畳んで包むと、湿気ごと引き出しに閉じ込める。

  • 着物ハンガーに掛け、風の通る日陰でしっかり乾かす
  • 衿・袖口・裾を明るい場所で見て、汚れの有無を確かめる
  • 畳の上か、清潔な布を敷いた床に、全身を広げられる場所を作る
  • 手を洗って乾かし、指輪と腕時計を外す
  • 作業する場所の近くに、飲み物や化粧品を置かない

手を洗って乾かしてから触る。ハンドクリームや化粧品が付いた指で絹に触れると、しばらく経ってからシミとして浮くことがある。

テーブルの上で半分ずつ折ると、見えない側がずれたまま重なる。床に全身を広げるだけで精度が変わる。

本畳みの手順と仕上がりの確認

手順は一般的な考え方として並べる。呼び方や細かい順序は、教える人によって違う。

順番 やること 見るところ
1 衿を左、裾を右にして、着物を平らに全身広げる 床にシワなく敷けているか
2 手前側の下前を、脇縫いを折り目にして内側へ折る 脇縫いが一本の直線になっているか
3 おくみ線で手前へ折り返し、おくみを重ねる 裾の角がそろっているか
4 衿を内側に折り、衿先まで自然な線でつなげる 衿の折り山が角張っていないか
5 上前を持ち上げ、脇縫いどうしをぴたりと合わせる 背縫いが中央をまっすぐ通るか
6 上になった袖を、袖付けで身頃の上へ折り返す 袖山と袖口が身頃からはみ出ていないか
7 裾を持ち上げて二つ折り、長ければ三つ折りにする たとう紙の内寸に収まる大きさか
8 全体を裏返し、下になっていた袖を折り返す 袖が身頃の下敷きになっていないか

途中でずれに気づいたら、そこから直そうとしない。いったん広げて2番からやり直すほうが早い。

  • 四隅の角がそろい、一枚だけ飛び出していない
  • 背縫いが中央を一直線に通っている
  • 衿が折れ曲がらず、ゆるやかな線を保っている
  • 刺繍や金彩の部分が、他の生地と直接こすれていない

帯や小物の折り方

帯は着物より厚くて硬い。同じ感覚で折ると、折り山に芯の跡がくっきり残る。

帯の種類ごとの畳み方

帯は種類で仕立てが違うので、折り方も分かれる。共通するのは、お太鼓に出る面へ折り目を通さないこと。

種類 基本の畳み方 気をつける点
袋帯 二つ折りにしてから、さらに屏風状に折り重ねる 折り山を毎回まったく同じ位置にしない
名古屋帯 仕立ての形に沿って、お太鼓部分と胴部分を折る お太鼓の中心に折り目を通さない
半幅帯 幅はそのままで、長さを二つ折りか四つ折りにする 結び目の癖を手で伸ばしてから畳む
刺繍や箔の多い帯 折り山に薄紙を挟み、折り目をゆるく当てる 金糸銀糸が他の生地とこすれる向きに重ねない

帯の折り山には薄紙を一枚挟むと、角が立ちにくい。丸めた和紙でも代わりになる。

帯締め・帯揚げ・小物

小物は小さいぶん、行方不明とシワの両方が起きる。畳み方より、置き場所の決め方で結果が変わる。

  • 帯締め…房を和紙でくるみ、二つ折りか輪にして形を保つ
  • 帯揚げ…畳みジワが出やすいので、ゆるく巻くか、平らにたたんで置く
  • 半衿・伊達締め…使ったら外して洗い、乾かしてからしまう
  • 帯板・帯枕…硬いので、着物と同じ引き出しに入れない
  • 足袋・肌着…着物とは別の段にまとめると、探す時間が減る

帯締めの房を輪ゴムで留めない。ゴムは時間が経つと溶けて糸に付き、取れなくなる。

帯と着物は段を分ける

帯は重く、角が硬い。着物の上に直接載せると、その形のまま跡が残る。

引き出しが足りないときは、帯を下段にまとめて、着物の段には入れない。段を分けるだけで圧迫が消える。

タンスに重ねる順番

タンスへのしまい方で差が出るのは、折り方より重ねる順番。下にあるものほど、上の重さを長く受け続ける。

重いものを下、軽いものを上

基本は重いものを下、軽いものを上。生地が厚く重い留袖や振袖が下で、絽や紗の薄物が上にくる。

逆にすると、薄物が下敷きになって畳み目がつぶれる。下の一枚が全部の重さを受けると考える。

  • 下…留袖・振袖・厚手の紬など、生地が重いもの
  • 中…色無地・小紋・付け下げなど、ふだん着る袷
  • 上…単衣、絽や紗の夏物、長襦袢
  • いちばん上…今の季節によく着る一枚

よく着るものを上に置く

もう一つの軸が出し入れの頻度。よく着る着物を上に置くと、下の重ね順を崩さずに取り出せる。

下から抜き取ると、上に載っていた着物がずれて折り目が動く。取り出すたびに畳み直す羽目になる。

重さと頻度がぶつかったら、頻度を優先して段を分ける。よく着る重い着物は、下段に沈めず別の引き出しの上へ置く。

引き出しごとに役割を決める

入れるもの 理由
上段 長襦袢・半衿・帯揚げ・帯締め 軽くて出番が多く、押しつぶされたくない
中段 ふだん着る着物、いま着る季節の一枚 目線に近く、出し入れで他をずらさない
下段 礼装、重い袷、帯 重量物を下に集めると、タンス自体も安定する
最下段 出番の少ない礼装、季節外の一式 開閉が少ないぶん、湿気の様子を定期的に見る

段の役割を先に決めておくと、しまい方に迷わない。家族で共用するタンスほど効く。

衿の向きも段の中でそろえる。全部同じ向きにしておけば、たとう紙の窓を見なくても種類が分かる。

たとう紙に入れてから重ねる

畳んだ着物は、たとう紙に1枚ずつ包んでからタンスに入れる。裸のまま重ねると、生地どうしが直接こすれる。

1枚ずつ包む理由

  • 着物どうしの摩擦を防ぐ
  • 紙が湿気を吸って、急な湿度の変化をならす
  • ホコリと光を遮る
  • 畳んだ形を四角に保ち、重ねたときに安定する
  • 中身が分かるので、探すために引き出しを掘り返さない

2枚まとめて1包みにすると、紙の働きが半分になる。たとう紙は1枚に1包みが基本

サイズは、畳んだ着物が紙の内側に余裕をもって収まるものを選ぶ。角がはみ出す紙は、そこだけ守れない。

包み方の手順

包む動作そのものは短い。順番だけ決めておけば、迷う場所がなくなる。

順番 やること
1 たとう紙を開き、内側にゴミや前の紙片が残っていないか見る
2 畳んだ着物を、衿の向きをそろえて中央へ置く
3 紙の左右、続いて上下の順にたたみ、ひもや爪でゆるく留める
4 表の窓や見出しに、着物の種類と素材を書いた紙を入れる
5 そのままタンスへ、平らに寝かせて入れる

ひもをきつく縛らない。紙ごと締めつけると、その線が着物の折り山に写る。

たとう紙の替え時

たとう紙は消耗品。吸った湿気を抱えたままだと、着物を守るどころか湿気の供給源に変わる。

  • 茶色い斑点やシミが出ている
  • 紙が波打っている、手触りが湿っぽい
  • 角が破れて、中の着物が見えている
  • 紙に別のにおいが移っている

包む道具と、しまう場所の湿気対策をもう少し詳しく知りたい人は、こちらから続けて読める。

引き出しに入れる枚数の目安

枚数を数えるより、引き出しの深さに対する高さで見るほうが早い。着物の厚みは種類でまるで違う。

枚数ではなく高さで考える

目安は、引き出しを閉めたときに上へ指が入るくらいの余白。押し込まないと閉まらないなら入れすぎ。

薄物なら何枚も入るし、重い袷なら数枚で埋まる。同じ引き出しでも入る枚数は変わる

状態 見分け方 どうするか
余裕あり 手を差し入れて、下の一枚を抜き取れる そのままでいい
ちょうどよい 閉めたとき、たとう紙の上に指一本ぶんの隙間がある これ以上足さない
入れすぎ 閉めるときに、手で押さえる必要がある 一、二枚を別の段へ移す
危ない 開けたときに、たとう紙が反っている すぐ出して、折り目を伸ばしてから畳み直す

詰め込むと何が起きるか

  • 下の着物に上の重さが集中し、折り山がつぶれる
  • 出し入れのたびに紙と生地がこすれ、表面が毛羽立つ
  • すき間がなく空気が動かないので、湿気が抜けない
  • 取り出すときに引っかかり、衿や袖に力がかかる
  • 下のほうに何があるか分からなくなり、そのまま何年も動かさない

引き出しが足りないからと、たとう紙を立てて縦に詰めない。着物が自重で下に落ちて、底側だけ折り癖がつく。

余白の作り方

枚数を減らすのが難しければ、置き場を分ける。帯や小物を別の段へ移すだけで、着物の段は軽くなる。

季節外の一式をまとめて最下段へ落とすのも手。よく着る段にだけ余白があればいい。

たまに動かすことの意味

しまいっぱなしがいちばん傷む。同じ折り目に力がかかり続けると、そこだけ生地が疲れる。

同じ折り目が固定される

折り山は、生地が曲げられたまま止まっている場所。長く放置すると繊維が戻らず、白い筋や擦り切れになる。

年に何度か畳み直して、折る位置を少しずらす。折り目を固定させないことが目的

  • たとう紙から出して、いったん全身を広げる
  • 折り山を手のひらで軽く伸ばす
  • 本畳みで畳み直し、二つ折りの位置をわずかにずらす
  • 上下を入れ替えて、下だったものを上に重ねる
  • たとう紙の湿り気とシミを見て、傷んでいれば交換する

いつやるか

タイミング やること
衣替えの前後 季節の入れ替えついでに畳み直し、段の順番も組み替える
空気が乾いた晴れの日 引き出しを開けて風を通し、たとう紙の湿り気を確かめる
着たあと 陰干ししてから畳み、衿と袖口の汚れを見る
長雨が続いたあと 湿気の抜け具合と、除湿剤の残りを確認する

虫干しや風通しは、湿度の高い日を避ける。窓を開けて湿った空気を入れると、乾かすつもりが逆に働く。

ついでに見ておくところ

広げたときが点検の機会。畳み直しと点検は、同じ作業のうちに終わる。

  • 衿と袖口…皮脂の汚れが黄ばみに変わっていないか
  • 裾と前身頃…はねた泥や、擦れた跡がないか
  • 折り山…白い筋が出ていないか
  • 金銀糸や刺繍…変色や、糸の引っかかりがないか

桐たんす以外でしまう場合の注意点

桐のタンスがなくても着物はしまえる。足りない働きを、道具と手間で補えばいい。

桐が何をしているか

桐は湿気を吸って吐く木で、引き出しの気密も高い。湿度をならし、虫とホコリを遠ざける。

ほかの収納で足りないのはここ。湿度・気密・通気の三つを補うと考えると迷わない。

収納 弱いところ 補い方
洋タンス(合板・木製) 湿度をならす力が弱い。塗料や接着剤のにおいが移る 引き出しに和紙を敷く。除湿剤を隅に置き、たまに開けて空気を入れ替える
プラスチックケース 密閉されて湿気がこもる。静電気でホコリを呼ぶ ふたを完全に密閉しない。除湿剤を入れ、床に直置きせずすのこを噛ませる
不織布の衣装ケース ホコリと虫が入りやすい ふたを閉め、押し入れの上段など乾いた場所に置く
段ボール 紙そのものが湿気と虫を呼ぶ 長期の保管には使わない。使うのは移動のあいだだけにする

置き場所で半分決まる

  • 壁から少し離す…壁面は結露しやすい
  • 床から浮かせる…床に近いほど湿気がたまる
  • 直射日光を避ける…光が当たる面から色が退く
  • 暖房や加湿器の風が当たらない…温度差で結露する
  • 押し入れなら上段…下段ほど湿気が濃い

防虫剤は種類を混ぜない。成分の違うものを一緒に入れると溶け合って、生地にシミを作ることがある。着物に直接触れない位置へ置く。

プラスチックケースでのしまい方

いちばん手に入りやすい収納。湿気対策さえ足せば、当面の置き場所として働く。

底に和紙を敷き、包んだ着物を平らに重ねる。ふたは載せるだけにして、季節の変わり目に開けて風を通す。

タンスにしまう前にやっておく手入れ

着物のタンスへのしまい方で仕上がりを分けるのは、畳む前の状態です。汚れと湿気を抱えたまま入れると、次に出したときに直せません。

脱いだ当日は畳まずに休ませる

着たばかりの着物は、体温と汗の水分を含んでいます。着物用の幅広ハンガーに掛け、日の当たらない室内で半日ほど風を通します。

  • 着物ハンガーに掛けて袖と身頃のしわを落ち着かせる
  • 直射日光と暖房の吹き出し口を避けた場所で干す
  • 裏地・八掛・帯下の部分も手で触って湿りを確かめる
  • 手で触れて冷たさが消えてから本畳みにする

畳む前に汚れを見つけておく

畳んでしまうと、汚れは次の出番まで見つかりません。明るい場所で、手が触れやすい箇所から順に見ていきます。

見る場所 出やすい汚れ 畳む前の扱い
衿・衿裏 ファンデーション、皮脂 広げて確認し、目立つものは専門店へ相談
袖口・袖裏 手の脂、黒ずみ 白い布で軽く押さえて色移りを見る
裾まわり 泥はね、擦れ 乾かしてから毛先の柔らかいブラシで払う
上前・膝の位置 食べこぼし、飲み物 こすらず、位置を控えて相談時に伝える

雨の日に着たものは一日多く干す

表面が乾いて見えても、裏地の縫い代には水分が残ります。翌日もう一度掛け直し、乾いたと判断してからタンスへ移します。

急いで畳むと、湿気がたとう紙の中に閉じ込められます。一日待つだけで、カビと変色の芽をかなり減らせます。

防虫剤と乾燥剤の入れ方

着物のタンスへのしまい方で迷いやすいのが、防虫剤と乾燥剤の扱いです。入れる量より、種類と置き場所のほうが影響します。

防虫剤は一種類にそろえる

成分の違うものを同じ引き出しに入れると、溶け合って生地に染みを作ることがあります。使うなら同じ種類だけにします。

種類 特徴 気をつける点
ピレスロイド系 においが少なく、他の成分と併用しやすい 効き目の期間を袋の表示で確認する
樟脳 古くから使われ、香りが残る 他の防虫剤と混ぜない
ナフタリン 効き目が長め 金糸・銀糸や箔に触れさせない

着物に直接触れさせない

  • 防虫剤は引き出しの四隅に置き、たとう紙の上に載せる
  • 成分は下へ広がるため、着物の下ではなく上に置く
  • 乾燥剤は引き出しの奥や隅など、重みのかからない位置へ
  • 金彩や刺繍のある一枚は、間に和紙をはさんで距離をとる

交換の時期を決めておく

効き目が切れた防虫剤は、入っていないのと同じです。衣替えの月に合わせて、年二回の入れ替え日を決めてしまうと忘れません。

乾燥剤は色や粒の変化で交換時期がわかるものを選ぶと、開けたときに判断できます。

しまう場所の環境と、季節ごとの見直し

同じ畳み方をしても、タンスを置く場所で状態は変わります。引き出しの中だけでなく、部屋の条件も一度見ておきます。

タンスを置く位置を選ぶ

  • 外壁に接した壁際(結露が起きやすい)
  • 窓のそばや、カーテン越しに日が差す面
  • 加湿器・観葉植物・水回りのすぐ近く
  • 床に直接置いた状態(壁と床から数センチ離す)

衣替えのときに一度出して風を通す

年に二回、着ない着物も引き出しから出して広げます。折り目の位置をずらして畳み直すと、同じ線に負担が集中しません。

晴れて空気の乾いた日を選び、日陰で数時間ほど風に当ててから戻します。

素材ごとに分けて入れる

素材 性質 しまうときの扱い
湿気と光に弱く、変色しやすい たとう紙に入れ、上のほうの引き出しへ
ウール 虫の被害を受けやすい 絹と引き出しを分け、防虫剤を切らさない
木綿・化繊 比較的丈夫で扱いやすい 下の引き出しに回し、重さの土台にする

素材を混ぜて重ねると、虫の被害が広がりやすくなります。引き出しを分けるだけで、点検の手間も減ります。

素材と格で変わる着物のタンスへのしまい方

同じ引き出しでも、素材が違えば湿気の受け方も傷み方も変わります。着物のタンスへのしまい方は、まず素材で分けるところから考えます。

絹・木綿・ウールで分けて入れる

絹は湿気とスレに弱く、ウールは虫がつきやすい性質があります。混ぜて重ねるより、素材ごとにまとめたほうが管理しやすくなります。

素材 気をつける点 置き方の目安
湿気・スレ・変色 上段に、軽く重ねる
木綿・麻 湿気・シワ 中段でたたみ直しやすく
ウール 虫害 絹と別の引き出しに
ポリエステル 折りジワの定着 下段でも扱いやすい

礼装と普段着は同じ引き出しにしない

留袖や訪問着は出す回数が少なく、下に置いても差し支えありません。逆に小紋や浴衣は出し入れが多く、取りやすい位置が向いています。

  • 年に一度も出さないもの → 下段や奥
  • 季節ごとに着るもの → 中段の手前
  • ひと月に数回着るもの → 上段の手前
  • 金銀の刺繍がある礼装 → 単独でたとう紙に

長襦袢や羽織の置き場所

長襦袢は肌に触れる分だけ湿気を含みやすく、着物と同じ束に混ぜると影響が出ます。羽織やコートは丈が違うので、折り位置が変わる点も分けて考えます。

しまったあとの記録と、傷みのサインの見つけ方

しまい込むと、どこに何が入っているか分からなくなります。記録を残しておくと、探すために全部を出す手間が減ります。

中身が分かるようにしておく

たとう紙の窓に紙を差す、外側に付箋を貼るなど、方法は手元にあるもので構いません。開けずに分かる状態にしておくのが目的です。

  • 種類(訪問着・小紋・浴衣など)
  • 色や柄の特徴
  • 最後に着た時期
  • 手入れに出した時期

出したときに見ておく場所

年に一度でも広げる機会があれば、傷みの出やすい場所を目で追います。早く気づくほど、対処の幅が残ります。

見る場所 気づきたい変化
衿・袖口 黄ばみ、黒っぽい汚れ
折り山 スレ、色の抜け
裏地・八掛 薄い茶色の点
金銀の箔 浮き、ひび

変化が見つかったとき

点状の変色やカビの疑いは、自分で擦ると広がることがあります。触らずに写真を撮り、悉皆屋や呉服店に状態を伝えて相談する流れが穏当です。

よくある質問

Q. 本畳みができないとどうなりますか

縫い目と関係ない場所に折り線がつき、その線が時間とともに定着する。次に着たとき、目立つ筋として残る。

途中で分からなくなったら、いったん全部広げて最初からやり直すほうが早い。中途半端に折り重ねると、ずれが下まで伝わる。

Q. 帯はどう畳めばいいですか

袋帯は二つ折りから屏風状に、名古屋帯は仕立ての形に沿って折る。お太鼓に出る面の中央へ折り目を通さないのが共通の考え方。

折り山に薄紙を挟むと角が立ちにくい。帯は重いので、着物の上ではなく別の段へ置く。

Q. 重ねる枚数に上限はありますか

決まった枚数はない。厚みが違うので、引き出しを閉めたときに上へ指一本ぶんの余白が残るかで判断する。

押さえないと閉まらないなら入れすぎ。一、二枚を別の段へ移すだけで、下の着物にかかる力が減る。

Q. 折り目をつけたくない場合はどうすればいいですか

折る回数を減らすため、深くて広い引き出しを使い、二つ折りまでで止める。それでも、まったく折らずにしまうのは難しい。

畳み直しのたびに折る位置をずらせば、同じ線に力が集中しない。刺繍や金彩の部分には薄紙を挟む。

Q. 桐たんすでないとだめですか

だめではない。桐がしている湿度の調整と気密を、除湿剤・和紙・定期的な空気の入れ替えで補えばいい。

収納の材質より、置き場所の乾きぐあいのほうが効く。壁から離し、床から浮かせるだけで条件が変わる。

Q. 久しぶりに出したらシワがついていました

まず陰干しして湿気を抜き、生地を落ち着かせる。それだけで浅いシワは戻ることがある。

残ったシワは、当て布をして低温のアイロンを浮かせぎみに当てる。金銀糸・刺繍・絞りには当てず、判断がつかないときは触らずに専門店へ相談する。

しまい方が固まったら、次に気になるのは着たあとの手入れと、しまう前の乾かし方。ここから続けて読める。

まとめ:畳み方と重ねる順番を整えると、型崩れを防げる

着物のタンスへのしまい方は、難しい技術ではない。縫い目で折り、1枚ずつ包み、重い順に重ねるだけ。

あとは年に何度か引き出しを開けて、折る位置をずらす。この繰り返しが、次に袖を通したときの姿を決める。

  • 折り方の基本は本畳み。縫い目に沿って折れば、新しい折り線がつかない
  • 重ねる順番は、重いものを下・よく着るものを上。段ごとに役割を決める
  • たとう紙は1枚に1包み。引き出しには指一本ぶんの余白を残す
  • 年に何度か畳み直し、折る位置をずらして同じ線に力を集中させない

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この記事を書いた人

生活にお得な口コミレビューLifeReviews 編集部

暮らしの中で迷いやすい選択について、料金・条件・続けやすさを同じ物差しで比べて整理しています。公的統計や各サービスの公開情報を確認したうえで、一方を持ち上げて他方を貶す書き方はしません。